シーゲル「S&P500は年末までに2400ポイントに到達するのは確実だ」
1月20日、あの「株式投資の未来」の著者であるジェレミー・シーゲル氏のインタビュー記事がTwitterで流れてきました。
トランプ氏が大統領に就任したことにより、世界経済はより予断を許さない状況になりつつあり、例えば著名投資家のジョージ・ソロス氏は「市場は低迷する」「トランプ氏が失敗することは確実だ」などと弱気な見方をしています。
これに対し、シーゲル氏はかなり強気というか楽観的に見ており、S&P500指数が2400ポイントに到達するのは確実とまで言っています。
シーゲル氏の展望
以下、シーゲル氏のインタビュー内容を箇条書きにします。
- トランプ候補勝利に伴う米国株上昇は、「法人税引き下げ」「規制緩和」「海外の米国企業の資金還流」の3つの期待が主要因だ。
- 法人税引き下げは大きく、保護貿易に乗り出さない限りトランプ相場は半年、長ければ来年まで続くだろう。
- 過激な保護主義的な政策を打ち出さない限り米国株は10~15%上昇する。
- ドルは強さを維持して一段と高くなるが、上げ幅は大きくないだろう。
- NYダウは今年21,000~22,000ポイントまで上昇するだろう。
- S&P500は年末までに2,400ポイントに到達するのは確実だ。
- トランプ大統領の政策によって生産性が向上し、経済成長率が高まればNYダウは25,000ポイントに達し、さらに上に行くだろう。
- 円安が進めば日本株にとって、今年はいい年になる。
前提条件付きの強気発言
シーゲル氏はNYダウが21,000~22,000ポイント、S&P500は2,400ポイントに到達すると見ています。
1月23日現在のS&P500は2,265.20ポイントですので、この日を起点とすれば約6%上昇するということですね。
S&P500は年平均10%上昇しているので、かなり控えめな予想ともいえるかもしれません。
まぁ、文末に確実だという表現を使っていることから、どんなに小さくてもこれくらいは上がるだろうと見ているとも言えます。
このようにトランプ政策により株価はさらに上がると見ているシーゲル氏ですが、これらには前提条件があります。
過激な保護主義的な政策を打ち出さない場合に限るというものです。
アメリカ・ファーストを標ぼうするトランプ氏が行き過ぎた保護貿易を打ち出して他国の製品を締め出せば、それは世界経済の低迷を招き、最終的にアメリカまで巻き込んでしまうことになります。
私個人としても、トランプ氏の政策で最も懸念しているのが、シーゲル氏が出した前提条件である行き過ぎた保護貿易、アメリカを孤立主義に走らすよう舵を切り出さないかということです。
そうなればアメリカの成長も鈍化し、長期的にマイナスになるのは間違いありません。
これまでのトランプ氏の言動を見る限り、どうもそうなりそうな気がして仕方がありません。
やっぱりどうなるか分からない
とはいえ、それは悲観的な考えで行き過ぎた保護主義的な政策は実際はとらないのかもしれません。
トランプ氏は何をやらかすか分かりません。
先のシーゲル氏の展望も、参考にはするものの鵜呑みにしない方が良いと思います。
S&P500が2,400ポイント以上まで到達することも、2000ポイントを割り込むことも、同じくらいの確率で起こり得るのではないでしょうか。
なお、シーゲル氏の展望は日経マネー3月号で詳しく見ることができるそうです。
本記事の情報はTwitterの一部のキャプチャがソースですので、本誌にはもっと詳しく掲載されているかもです。(私も未読です・・。)