「平均貯蓄額」の記事を鵜呑みにしていいものか?
マイナビニュースに、30代と40代の懐事情をまとめた記事が掲載されました。
- 30・40代の貯蓄額は平均132万円、貯蓄ゼロも4人に1人 [マイナビニュース]
「平均貯蓄額●●万円」「●人に1人は貯蓄ゼロ」はこの手の記事の常套文句ですが、果たしてこの結果をそのまま真に受けて良いものでしょうか?
30代、40代の貯蓄額
上記のマイナビニュースの記事によると、貯蓄ゼロが25.4%、1万円~50万円以下が28.3%と、50万円以下が実に過半数も占めています。
(出典:マイナビニュース)
この結果を鵜呑みにするのであれば、かなり衝撃的なデータです。
生活防衛資金は生活費のおよそ3か月分が妥当と言われています。
30代~40代と一口に言っても、生活費は人によりけりでしょうが、仮に生活費が1か月20万円だと3か月分は60万円になり、そうすると実に半分以上の人が生活防衛資金を貯められていない状況にあることになります。
貯蓄額はあくまでも自己申告制
このデータはインターネットアンケートによる自己申告制です。
お金は何かとセンセーショナルな問題でありますので、実際に持っている資金よりも低く回答した人が多いのではないかと邪推してしまいます。
それに、このアンケートでは「貯蓄」の金額を聞いています。株や債券といった換金性に優れる金融商品を含む「金融資産」ではなく、「貯蓄」です。
日本語の難しいところですが、「貯蓄」は「金融資産」とは違う意味合いで捉えた人もいるのではないでしょうか。
私もその一人で、もしもこのアンケートに回答するのであれば、「貯蓄=すぐに降ろせる金額」と捉えます。
今普通預金口座にある金額は150万円ほどですから、「100万円超~200万円以下」と答えます。
データに安心しないこと
こういったデータを見て「4人に1人も貯蓄できていないのだから、自分も貯蓄しなくても大丈夫」などと思わないことです。
私が疑い深いのもあるのですが、この手の記事のデータは完全に信じるのは難しいです。
過小に回答した人もいるのかもしれませんし、私のようにあくまですぐに銀行から引き下ろせる金額を回答した人もいるのかもしれません。
大事なのは、人の懐事情の平均値(しかも正しい保証は無い)を見て安心するのではなく、自分の人生設計に沿った資産構築を淡々とこなすことではないでしょうか。