ストラテジストや証券アナリストにどのような存在価値があるのか?
Twitterにて、ちょっとした口論があったようです。
マネックス証券のチーフストラテジスト・広木隆氏に対して、「こんな予想しかできないのならばやめてしまえ」といった感じの暴言ツイートがありました。
広木氏の予想が外れたことをからかっただけなのか、あるいは広木氏の予想に従って投資判断した結果、損を出したてしまったこと対する八つ当たりなのかは分かりませんが、ネット上であれ実社会であれ、暴言が褒められる行為では無いことは確かです。
とはいえ、プロであるはずのストラテジストの予想がまるで当たらないのも、一般投資家から見れば確かに腹立たしい気もします。
そこで今日は、広木氏のようなストラテジストや証券アナリストといった肩書を持つ人たちの存在意義について考えてみたいと思います。
ストラテジストとは何か?
ストラテジストとは、投資計画の立案者のことを言います。
ストラテジスト(Strategist)はそもそも戦略家、という意味があります。
経済や企業の動向、市場の需給とその要因といった、様々な事柄から投資環境を分析し、投資家に投資計画を提案します。
ストラテジストは資格としては存在しませんが、分析力が必要になるため証券アナリストの資格を保持している人が多いようです。
ストラテジストは主に証券会社に所属しています。
冒頭の広木氏は、マネックス証券に所属しており、毎週月曜日にマネックスのホームページ上でコラムを更新しています。
ストラテジストの予測は当たるのか?
私の所感では、結論から言って当たらないと思っています。
未来は誰にも予測できません。もし事詳細に予測できる人がいるのであれば、このネット全盛の時代ですから、今頃神のようにあがめられているに違いありません。
当たらないという証拠に、「週刊ダイヤモンド」で2015年の年末に、2016年の株価予測を各ストラテジストに対してアンケートしていましたが、今の状況を予測した人は誰もいませんでした。
「24,000円の高値予測も」なんてお気楽な予想が紙面を飾っています。
広木氏もこのアンケートに答えており、「堅調な企業業績と参院選前の景気対策期待で株高継続」などと強気な予想をしています。
他のストラテジストも、ほとんど強気発言ばかりでした。
さて、なぜストラテジストは強気な発言をするのでしょう?
それは、投資家に商品を買わせて手数料を頂きたいからです。
ストラテジストであったり、証券アナリストは何らかの証券会社に所属しています。
証券会社の看板を背負っている以上、証券を売らなければなりません。
故に、ストラテジストは多少強気の発言をして投資家を安心させて、証券を買わせるように誘導をしているとも考えられるわけです。
じゃあストラテジストに何の存在価値が?
投資家から手数料をもらうためだけに、当たりもしない予想をたてているのがストラテジストなのか、楽な商売だなって思いますね。
しかしながら、ストラテジストは一般の投資家とはケタ違いの知識や情報を所持しています。
楽観的で強気な予想をたてる傾向にはありますが、そこに至るまでの情報や数字といったデータは豊富で正確で精密です。
ストラテジストの予想は外れるけど、提示するデータはウソをつきません。
一般の投資家では得ることが難しいデータを提供してくれるのが、ストラテジストの存在意義といっていいでしょう。
まとめ
個人投資家はストラテジストの提言に対するアクションとして、以下の二言に集約されるかと思います。
- データは信じろ
- 予測は信じるな
これが全てではないでしょうか。
逆に、ストラテジストほど豊富な知識をもってしても予測は当たらないということは、それだけ相場の世界が複雑で奥深いという証明になるかもしれません。