【米国銘柄&株価分析】P&G(PG)~苦難の2015年を乗り越えた!
2017/04/01
記念すべき米国株個別銘柄分析第一弾はP&G(PG)です。
抜群の知名度を持ち、配当利回りも3%前後で60年連続増配を達成中と、日本の個人投資家にも人気の高い銘柄です。
まさに米国株分析第一弾に相応しい銘柄といえるでしょう!
(2017年4月1日 更新)
P&G銘柄分析
P&G(プロクター・アンド・ギャンブル)とは
世界最大級の日用品メーカーです。「パンパース」「ファブリーズ」「レノア」といった、日本でもメジャーな商品を取り扱っています。
ただ、花王や資生堂といったライバル企業が相当手ごわく、日本市場ではかなり苦戦しているようです。
「パンパース」を日本で展開して程なく、日本製の「ムーニー」が誕生したように、日本ではブランド展開しても程なく対抗製品が開発されてしまうので、日本で商売するのは分が悪い考えているかもしれません。
P&G株 基礎情報 (2016年3月18日時点)
ティッカー | PG |
市場 | NYSE |
採用指数 | DOW30 / S&P500 |
セクター | 生活必需品 |
設立年/上場年 | 1905年 / 1950年 |
決算期 | 6月 |
過去10年EPS成長率(%) | 3.40 |
P&GのティッカーシンボルはPGと、&(アンド)を取っただけなのですぐに覚えられます。
ダウ構成銘柄で、決算期は6月です。
過去10年間のEPS成長率は、この10年間で1年平均でどれだけ1株利益が成長したか測るものです。
これが高ければ高いほど、利益を増やし続ける能力が高いことになります。
P&Gの場合、3.40%とゆるやかな成長を見せています。
株価指標
指標 | 2016/3/18 | 2017/3/31 |
---|---|---|
株価 | 83.15 | 89.85 |
PER | 27.0 | 26.0 |
PBR | 3.0 | 4.4 |
ROE(%) | 10.47 | 17.43 |
ROA(%) | 4.95 | 7.99 |
配当利回り(%) | 3.10 | 2.98 |
PERが26倍は少しだけ割高な水準なので、購入に少々躊躇してしまうかもしれません。
しかしP&Gのような優良銘柄は20倍台のPERは珍しく無いので、株価は妥当といえば妥当な水準なのかもしれません。
利回り2.98%と3%を下回っています。ですが60年連続増配中なので、配当目当ての銘柄としてとても魅力的なことは間違いないでしょう。
株価チャート(過去11年)
こうやって長期で見ると、ゆるやかに上がっていっています。
良く言えば安定した、悪く言えば枯れた面白みの無い銘柄といえるかもしれません。
2015年に目立って下げていますが、2016年に入ってリカバリしています。
利益・および配当(過去11年)
2006年から2014年まで、安定して利益が出ています。
中でも、リーマンショックの影響で不景気だった2008、2009年に最も利益が出ています。
このことから、P&Gは世の中が不景気でも関係なく一定の利益を出せる企業だと言えるでしょう。
1株利益は安定しており、1株配当も右肩上がり。
素晴らしいの一言です。
ただ、2015年に大きく業績を落としているのが気になります。
株価もそれにつられる形で、結構下がっています。
そして1株配当が1株利益を上回ってしまいました。これは良くない兆候ですね。
しかしながら翌2016年、P&Gは見事に復活!2012年~14年に近い水準にまで戻しています。
2015年は苦難の年であったことがうかがえます。
キャッシュフロー(過去10年)
(※営業CFマージンは、営業キャッシュフローを売上で割った値のこと)
毎年安定してキャッシュを確保できています。
2015年は利益がガクンと下がり厳しい年でしたが、キャッシュフローは全く問題ありませんでした。
バランスシート(2016年)
(※)単位:百万ドル
流動資産が流動負債をわずかに上回っています。
2014年までは流動負債が流動資産を上回り、2015年がトントン、そして2016年にはついに流動資産が上回りました。
年々財政が健全になっていっています。
感想
P&G的に2015年はかなり苦労した年であると見受けられました。
事実、2015年の一株利益の2.44は過去11年で最悪の数字です。
しかしながら2016年には一株利益3.69と1.5倍ほど上昇し、2014年までの水準近くまで戻しています。
P&Gは創業から110年も経過しており、また60年もの間増配を続けてきた会社です。
少しの不調など、物ともしないことを証明してくれました。
派手な成長はないけど、安定して株主に利益をもたらしてくれる、それがP&Gの特徴だと思います。