FOY三連覇のニッセイ外国株式インデックスファンドをどう評価する?
2017/04/06
1月中旬に、「投信ブロガーが選ぶ! Fund of the Year 2016」の投票結果が発表されました。
結果は、2014年と2015年も一位になった「<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド」が選ばれました。
これでニッセイ外国株式は三連覇です。
投信ブロガーということで、投信に関してかなりマニアックな知識をお持ちの方々から、三年連続でNo.1に選ばれるのは並大抵ではありません。大したものです。
ですが、ニッセイ外国株式は去年の大統領選で他ファンドよりも大きなトラッキングエラーを起こしています。
果たしてこのニッセイ外国株式をどのように評価すべきか、ちょっと考えてみました。
二度の信託報酬値下げは評価できる
ニッセイ外国株式は私が知る限り、ここ二年で二度も信託報酬の値下げを行いました。
- 一回目:2015年11月21日、0.39%→0.24%
- 二回目:2016年11月22日、0.24%→0.20%
(※)数字はすべて税抜きです
わずか一年数か月で、信託報酬が半分に減ったことになります。
投資家からもらう信託報酬がファンドの運営費になりますので、中々簡単に信託報酬を下げることはできないはずです。
にも関わらず、ニッセイは大胆にも信託報酬を半分にしたのです。
ニッセイが信託報酬を引き下げることにより、顧客の乗り換えを防ぎたい他社のファンドも信託報酬を見直さざるを得ません。
信託報酬が下がると投資家の負担も減るから、より投資しやすい環境になります。
ニッセイの積極的な信託報酬値下げは評価されてしかるべきではないでしょうか。
課題はトラッキングエラーをいかに防ぐか
ニッセイ外国株式は、去年の11月に行われた大統領選の時に派手にトラッキングエラーを起こしました。
ニッセイ外国株式と同じMSCIコクサイをベンチマークにする他社ファンド、たわらノーロード先進国株式と比べて、11月10日だけで0.28%も下方かい離していたというのです、
後日、ニッセイよりトラッキングエラーに関するファンドレポートが公開されました。
11月は11日時点でベンチマークと比べ0.21%乖離していたこと、その理由が激しい為替変動の中の頻繁な売買によるものである(と私は受け取りました)、とのことです。
0.21%ということは、一年の信託報酬とほぼ同額です。大統領選で信託報酬一年分が失われてしまったことになります。
これ以外には、マザーファンドの規模が、例えばたわら先進国と比較しても小さいことも、トラッキングエラーを起こしやすい一因だそうです。
大統領選以外にもニッセイは他ファンドと比べてトラッキングエラーの確率が高いことが、複数の個人ブログで指摘されています。
ニッセイ外国株式の最大の課題は、ベンチマークを忠実に再現した値動きを心がけ、トラッキングエラーを極力起こさないようにすることと言えるでしょう。
おわりに
ニッセイ外国株の評価として簡単にまとめると、以下のようになります。
- ○:値下げに積極的
- ×:トラッキングエラーが他ファンドより起こりやすい
大統領選のベンチマークの乖離0.28%をどう受け取るかで変わってくるかと思います。
こんなものは大したことが無いと考えるのであればニッセイ外国株は高評価のファンドと思えるでしょうし、大事だと考えるのなら評価は低くなるでしょう。
私個人は、ベンチマークを忠実に再現する安定したファンドが良いと考えています。
個人型確定拠出年金を始めることもあり、不安定なニッセイから安定したたわらに乗り換える予定です。
良い面はもちろんあるけど、ちょっと良くない面もある。それがFOY三連覇したニッセイ外国株式インデックスファンドの評価ではないでしょうか。