マイナス金利とは?その目的と影響、メリットとデメリット
昨日、日銀は日本では初めてとなる「マイナス金利」を導入することを発表しました。
これは市場関係者の多くが予想していなかったことで、大きなサプライズとしてネットで、テレビで、新聞で、大きく取り上げられています。
マイナス金利と言われても、実際どうなるのかピンとこない方が殆どかと思います。
そこで今回、マイナス金利という言葉の意味とその目的、そしてそれが及ぼす影響について調べ、まとめてみました。
マイナス金利とは?
通常はお金を銀行に預けると、お金を貸してくれてありがとうと、利息という形でお金がもらえます。
例えば金利0.1%で100万円を預けると、1000円が利息としてもらえることになります。
マイナス金利はその逆で、銀行にお金を預けることで、運用手数料みたいな形でお金を支払わなければならなくなります。
上記の例の0.1%がそのままマイナスに転じると、1000円が余分に取られてしまいます。
つまり、マイナス金利になるとお金を預けると利息を取られてしまうという、尋常ならざる現象が起きることになります。
このマイナス金利を、日銀の当座預金に対して導入しようというのが、先日の発表内容になります。
マイナス金利の導入目的と効果
今回のマイナス金利導入で、金融機関は今後新たに日銀にお金を預けると、利息を支払わなければなりません。
(今まで預けているお金に関しては、金利は据え置き)
だったら、日銀にお金を預けずに、ほかのことに使った方が遥かにマシというものです。
金融機関がお金をストックするのではなく、投資であったり貸出であったり、市場に積極的に回すことにより、景気拡大と物価上昇を促す。
これが日銀の狙いであり、マイナス金利を導入した目的と言われています。
日銀がマイナス金利を導入するによって、利上げを進める米国との金利差がさらに拡大することになります。
これにより、為替もドル高円安に振れることになります。
日本は輸出で利益を出している企業が殆どなので、円安になると利益も上げやすくなります。
結果、株価も上昇するというわけです。
物価上昇・円安・株価上昇が効果として見込めるのが、マイナス金利なのです。
ですが、至れり尽くせりのように見えるこのマイナス金利、効果は一時的なものであると分析する専門家もいます。
狙い通りに上手く事が運ぶか、今後の推移を注意深く見守る必要があるでしょう。
一般に人の影響は?メリットとデメリット
日銀の当座預金に対して0.1%のマイナス金利が導入されることになりましたが、日銀に預けるのはメガバンクや地方銀行のような金融機関ですので、個人や法人が利用する口座に直接影響することはありません。
金融機関が積極的にお金を貸すようになるので、企業は設備投資等の資金を借り入れやすくなり、個人は住宅ローンを組みやすくなるといわれています。
個人投資家にとっても、額面通り円安・株高となれば追い風になります。
デメリットですが、もしマイナス金利により金融機関の収益が想定以上に悪化してしまったら、一般の口座にマイナス金利を導入して、そこから利息を取って収入の足しにするかもしれません。
そうなったら最悪で、逆に景気拡大どころかさらにデフレとなる危険があります。
金融機関がこの最悪手を取らない保障はありません。
「お金は銀行に預ければ安全」という常識が、通用しなくなる時代がやってくる・・・かもしれません。
まとめ
日銀が発表したマイナス金利導入は、私にとってもまさにサプライズでした。
今後日本経済がどうなっていくのか、株価や為替はどのように推移していくのか、現時点で予測がつきません。
今のところ狙い通り株価は上がり、円安に向かっていますが、これがどこまで持続するのかは分かりません。
今は大きく取り上げられているこのマイナス金利ですが、案外個人にとっては無風に終わるのかもしれません。
今できることと言えば、今まで通り注意深く市場の動向を見守る、これに尽きるのではないでしょうか。