米国人投資家はポンド安を嘆き、日本人投資家はドル安を嘆く
2017/10/11
BREXITの影響が本格化したのか、ポンド安が進んでいます。
今日、1ポンドあたり1.27ドルを割り込みましたが、これは1985年6月以来の出来事とのことです。
ドルから見て、今は歴史的なポンド安なのでしょう。
異常なポンド安を受けて、ブルームバーグが昨日以下の記事を公開しました。
- ポンド安に支えられた英国株の上昇、米国の投資家は恩恵得られず(※2017/10/11 リンク切れ)
ふうむ、ポンド安のおかげで英国株が上昇しても、ドル建てではマイナスなんですね。
あれ、これって、日本人から見た今の米国株と同じことなんじゃないですか!?
ドル安に支えられた米国株の上昇、日本の投資家は恩恵得られず
2016年はドル安が進んだ年でもあり、そのおかげなのかアメリカの主要指標であるNYダウは、今年史上最高値をつけるほど好調です。
2月に底を打って以降はほぼ一本調子に米国株の株価は上昇しています。
にもかかわらず、日本人投資家は米国株の上昇の恩恵を受けていません。
むしろ、円建てでは資産を減らしています。
理由は単純明快で、今年になってから円高(ドル安)が異常に進んだからです。
年初は1ドル120円だったのが、今では約102円です。
パーセンテージで表すと円に対してドルはわずか9か月で15%も下落したことになります。
米国株を持つ日本人投資家は、米国株が好調にも関わらず資産が減少するという、残念な気分を味わっているのです。
証券会社シティ・インデックスの市場アナリスト、ケン・オデルガ氏(ロンドン在勤)は「英国の投資家にとっては恩恵となっているが、米国の投資家にとっては痛し痒(かゆ)しだ」と指摘。「英国の資産をドル建てで保有していたら、ポンド安がこれほど大きく進んでいない場合と比較すると、実際に得られる利益はずっと少ない」と述べた。
冒頭のブルームバーグの記事を、英国→米国、米国→日本、ポンド→ドルに変えるとこうなります。
- 米国の投資家にとっては恩恵となっているが、日本の投資家にとっては痛し痒しだ
- 米国の資産を円建てで保有していたら、ドル安がこれほど大きく進んでいない場合と比較すると、実際に得られる利益はずっと少ない
全く違和感なし!
まさしくその通りとしか言いようがありません。
どこの国の投資家も、外貨が安くなるのはあまり歓迎する出来事じゃないってことですね。
でも、アメリカはまだいいですよ。日本とは違って、自国の株式に投資すれば儲かっていたのですから・・・。