時価総額世界一の企業でも3か月足らずで25%以上株価が下がるんです
2018年12月中旬、またしても株式市場が大幅に下落しています。
「12月は株価が上がりやすい」というアノマリーは何だったのか・・・ってぼやきたくなる年ですね。
株式市場は10月から大きな調整局面を迎え、特にテクノロジー銘柄が大幅に下げています。
AAPL(アップル)もその一つで、何とこの3か月で25%以上も下落しています。
AAPLといえば時価総額世界一の企業、それが今回の下落で時価総額がMSFTに抜かれ、ナンバーワンの座を奪われてしまいました。
いかに時価総額世界一の銘柄でも、地合が悪ければ短期間で25%以上も株価が下がってしまうことを証明してしまいました。
230ドル⇒165ドルと28%下落したAAPL株
過去3か月のAAPLの株価チャートです。
10月3日の230ドルを頂点に、12月14日には165ドルまで下がっています。
たった2か月半で株価が28%も下がったのです。
このチャートを見ると、波打つように滑り落ちていることが分かります。
急落とかの類ではなく、時間をかけてジリジリと株価が下がり続ける、真綿で首を絞められるかのような陰湿な下がり方をしています。
悪材料、特に思い浮かばない・・・
こんな短期で下落するなら、AAPLに何か致命的な問題があるのではと想像するところですが、しかし特にネガティブな材料は思いつきません。
もしかしてこれかも、と思ったのが、iPhoneの販売台数の公表をやめると発表したことです。
今後は販売台数が振るわなくなると見込んでいるから、販売台数は都合の悪いデータになるから、アップルはこの情報の公表をにわかにやめたと市場は判断したのかもしれません。
- 販売台数の公表をやめる ⇒ 販売台数は都合の悪い情報 ⇒ 販売台数低下=売上低下 ⇒ 将来の利益低下 ⇒ 投資家失望 ⇒ 株価下落
こんなフローチャートなのかもしれません。
でもなあ・・・。
例え販売台数が少々減ったところでアップルブランドは絶大、単価の高い高級至高のスマートフォンとしての立場を確立すれば需要が尽きることも無いはずだし、むしろ利益率が上がるはずです。やはり腑に落ちません。
後は米中貿易戦争ですが、これは今更でしょう。
販売台数にせよ貿易戦争にせよ、この短期間でここまで下がる理由には成り得ないと考えます。
つまり、やや割高のAAPL株が劣悪な地合と少々の材料により適正株価に戻った、と解釈したほうが私としては腑に落ちます。
とはいえ、株価230ドル時点でもPERはたったの19.3倍、特段過大評価さもいなかったのだから、やはりここまで下がる理由が分かりません。
(ちなみに株価165ドルならPER13.8倍です。)
時価総額が世界一でも、PERが低くても、短期間で大幅下落はあり得る!
大型株、それも時価総額世界一であればボラティリティもそんなに高くはないはず。
また、PERも20倍足らずとそれほど過熱はしていない。
普通に考えればそんなに下落しないはずなんですが、それでもたった2か月半で株価が28%も下がりました。
世界経済の先行きが不安定で市場が荒れていれば、時価総額世界一だろうが過熱していなかろうが、短期間であっさりと株価は下落するとAAPL株は示してくれました。
PERがそんなに高くない大型株だから急落は無い、といった思い込みは捨てなければなりませんね。