インドでIT産業が発展した3つの理由
「IT(情報技術)分野はインドが強い。」と耳にしたことはありませんか?
インドといえば石油精製産業やダイヤモンド関連の事業に定評がありますが、ここ10年ほどでIT産業の発展もめざましく、現代ではインドとITは切っても切り離せない関係となっています。
なぜ、インドでIT産業が発展したのでしょうか?
キーワードは以下の3つです。
- アメリカとの時差
- カースト制度
- 英語
ひとつひとつ見ていきましょう。
インドでIT産業が発展した理由
アメリカとの時差
IT大国として真っ先に思い浮かぶのは、何と言ってもアメリカでしょう。
グーグル、アップル、フェイスブック、IBM・・・社名をあげはじめると枚挙にいとまがありません。
今はグローバルな世の中ですので、アメリカ本土から他国へ開発依頼することは珍しく無くなりました。
アメリカにとって、インドは実に都合の良い開発依頼先です。
それは、インドとアメリカとの時差がおよそ12時間だからです。
例えばアメリカで日中に設計を進めて、夜になって完成したとします。
時差が12時間ですので、アメリカが夜ならインドは朝です。
アメリカ側で夜にその設計資料をインドに送信して開発依頼をかければ、タイムラグ無しで即座にインド側で朝から開発作業が着手できるというわけです。
このようにアメリカとインドの時差がおよそ12時間であることにより、効率よく開発を進めることが可能になります。
カースト制度
インドにはカースト制度という身分制度があります。
カースド制度は世襲制で、出自によっては就ける職業が限られることがあります。
ところが、IT産業はカースト制度の影響を受けず、誰でも自由につくことができます。
たとえ貧しい家で育ったとしても、本人のやる気と努力と才能次第でIT技術者に就職でき、高給を得られるチャンスがあるというわけです。
優秀なインドの技術者は、アメリカのIT企業にとってぜひ迎え入れたい人材です。
アメリカのIT企業の給料は日本以上に高給です。
そうした企業に就職できれば、良い生活が保障されたようなものです。
このような背景から、インドでは真剣になってIT産業を目指す人が増えており、競争原理が働いて優秀な人材が輩出されやすいというわけです。
英語
インドはイギリスの植民地であったことから、英語が準公用語となっています。
ヒンディー語も使われていますが、英語も共通言語として活用されています。
アメリカの公用語はもちろん英語です。
このためインド人はネイティブでアメリカ人とコミュニケーションを取ることができるから、意思疎通も滞りなくでき、アメリカから仕事をもらいやすくなるというわけです。
英語が苦手な日本人とは違って、これは大きなアドバンテージです。
あと、プログラム言語は殆どが英語が元になっているので、プログラミングの上でも英語が分かると有利になります。
おわりに
インドでIT産業が発展した主な3つの理由を挙げました。
- アメリカとの時差
- カースト制度
- 英語
インドとIT産業の繋がりに、立地と歴史が大きく関わっていることが分かります。
インドのITサービス事業の成長は素晴らしく、2015年の時点でインドのタタ・コンサルタンシー・サービシズ社は業界第五位のシェアを誇っています。(業界一位はアメリカのIBMです。)
これからますますインドのIT産業は発展していくことでしょう。
いずれアメリカのグーグルのような、インド発祥の世界的なIT企業が誕生するかもしれません。