GPIFの3Q運用益4.7兆円!日本株は実は出来る子?
今日、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が平成27年度第3四半期(10月~12月)の運用状況を発表しました。
運用益が4.7兆円、収益率3.56%とのことです。
10月~11月といえば、チャイナショックの傷跡がちょうど癒えた時期で、国内外問わず株価は右肩上がりでした。
12月に若干失速したとはいえ、利益が出たのは妥当なところかと思います。
ところで、GPIFが公表する資料には、各資産クラスにおける運用益も開示されているのですが、意外と感じたことがありました。
各資産における運用益
平成27年度第3四半期の、資産単位での運用益をまとめました。
資産 | 運用益(億円) |
---|---|
国内債券 | 3,785 |
国内株式 | 29,660 |
外国債券 | -2,179 |
外国株式 | 15,854 |
※参考:平成27年度第3四半期運用状況[PDF:963KB]
国内株式大奮闘!
意外と感じたこと、それは国内株式が外国株式の倍近くの運用益を上げていることです。
昨年10月,11月に日経平均株価とアメリカの代表的な指標S&P500を比較したことがあったのですが、S&P500の方が日経平均に比べて力強い株価回復を見せていました。
これを踏まえたうえで、今日のGPIF運用状況を見たから少々驚いたわけです。
あとは、国内債券も3700億円も収益を上げているのは地味にすごいことだと思います。日本の債券って、こんなに儲かるのか・・・。
外国債券はこの時期米国の利上げ観測があったものだから、ある程度の下落は想像できます。
資産の具体的な中身
さて、一言で「国内株式」や「外国株式」といっても、具体的な中身は何か分からないですよね?
上記の資産状況の資料に、各資産のベンチマークが明記されていますので、これもご紹介します。
資産 | ベンチマーク |
---|---|
国内債券 |
以下の複合インデックス ・NOMURA-BPI(除くABS) ・NOMURA-BPI国債 ・MOMURA-BPI/GPIF Customized |
国内株式 | TOPIX |
外国債券 | シティ世界国際インデックス |
外国株式 |
以下の複合インデックス ・MSCI コクサイ・インデックス ・MSCI エマージング・マーケット・インデックス ・MSCI ACWI |
国内株式はTOPIX、外国株式はMSCIの3指数がベンチマークとして採用されているのですね。
MSCI コクサイ・インデックスは、日本を除く先進国株。
MSCI エマージング・マーケット・インデックスは、新興国株。
MSCI ACWIは、日本を除く先進国株&新興国株。
個人的には、外国株式の3指数の比率も知りたかったのですが、そこまで見つけることはできませんでした。
やっぱり優秀、日本株!
さて、GPIFの資料に去年の3月末から今年の1月末までのインデックスの推移が参考資料として添付されています。
TOPIXとMSCIの3指数、計4つのインデックスの比較グラフがありますが、TOPIXはその中で最も優れたパフォーマンスを出しています。
新興国は不調なのでTOPIXが上回るのは妥当として、先進国株で構成されるMSCIコクサイよりも上なのは驚きました。
日本株は世界でトップレベルの収益を、この時期にあげていたのですね。
日本株って実はすごいのでは
もしかしたら、私は日本株を、いや日本市場を過小評価しすぎていたのかもしれません。
今年に入ってからの日本株の下落は主にオイルマネーの引き上げと悪乗りしたヘッジファンドの仕業と言われています。
特に産油国ファンドは現金化をする際、流動性の高くて換金のしやすい日本株を真っ先に売却したという話もあります。
にも関わらず、この程度の下落で済んでいるのは日本市場の底力の為せる技なのかもしれません。
これから先、どのように経済が推移するか分かりませんが、日本株式市場もまだまだ捨てたものではないと考えさせられました。