81年生まれが投資による資産運用を真剣に考える

市場でもがく一個人投資家のリアル、お伝えします。月1で資産状況公開中。

*

【書評】価値の探究者たち

   

今日は書評の日とします。

紹介する本は「価値の探究者たち」です。

バリュー投資に関する本で、Twitterでこの本いいよと評判を見たので、amazonでポチって買って読んでみました。

なお、帯に”人工知能にはたどりつけない境地がある”なんてありますが、この本、人工知能全く関係ないから。

書籍情報

書名:価値の探究者たち

著者:Ronald W.Chan (著), 山本 御稔 (翻訳), 小林 真知子 (翻訳)

出版社:きんざい

発売日:2016/12/27

ページ数:304

 12名のバリュー投資家が登場

本書は合計12名のバリュー投資家が登場します。

1名につき1章をついやして12章、これに作者によるバリュー投資家総括の13章が加わります。

本書に登場するバリュー投資家はまず章の扉絵に本人の似顔絵が描かれており、読者にそのひととなりをイメージさせます。

扉をめくったら次にどの国・地域をホームにしているのか、どのようなファンドを運営しているのか、市場平均と自身のファンドのリターンの比較が記述されています。正直ファンド名に関しては、横文字に拒絶反応を示してしまい流し読みしてしまいました・・・。

そして章の主人公となるバリュー投資家の生い立ちと経歴の詳細を紹介し、どのような経緯でバリュー投資に目覚めたかを鮮明に描いています。

そのうえで、投資家の考え・流儀・投資哲学・投資戦略といった具体的なバリュー投資に関する話に及ぶのです。

投資に関する話以外にも、人生そのものにも役立ちそうな含蓄ある話も聞くことができます。

日本市場の異質が際立つ・・・

さて、バリュー投資家紹介のページに、ホームの市場平均と自身のファンドのリターンの比較があると、先ほど書きました。

本書には投資大国アメリカのみならず、イギリス、香港、スペイン等各地の投資家にフォーカスをあてています。

その中に、日本人であり日本市場をホームとしている阿部修平氏も数えられます。

投資家がホームとする地域のベンチマークリターンを見てみると、興味深いことがわかります。

  • 投資家名(ファンドリターン):ベンチマーク(ベンチマークリターン)、期間、地域
  • ウィリアム・ブラウン(9.18%):MSCI EAFE(4.81%)、1993年~2016年、アメリカ以外の外国株
  • フランチェスコ・ガルシア・パラメス(15.74%):マドリッド証券取引所総合指数(9.13%)、1993年~2014年、スペイン
  • アンソニー・ナット(9.34%):IMAUKエクイティ&ボンド・インカム・セクター(5.84%)、1996年~2012年、イギリス
  • ヴィーニー・イェ(14.7%):香港ハンセンインデックス(7.0%)、1993年~2016年、香港
  • 阿部修平(7.93%):東証株価指数(0.82%)、1997年~2016年、日本

ちょっと見づらいかもしれませんが、ご容赦ください。

マドリッド証券取引所総合指数とか聞きなれないベンチマークが登場しますが、殆どの地域のベンチマークは5%~10%に落ち着いています。

だからこそ、我が国の東証株価指数のリターン0.82%の異様さが際立ちます

しかも、阿部氏のファンドはロング・ショート戦略、つまり株価下落も利益が出るような戦略を取っています。

12名の投資家のうち、ショート戦略をとっているのは阿部氏のみです。

日本の市場は世界からみても、異質なものなのかもしれません。

 ストーリー仕立てで読みやすい

本書は1章単位できちんとしたストーリーが成り立っているので、投資本でありながら読みやすいです。

ある程度の投資知識は必要でしょうが、投資哲学を説く「投資で一番大切な20の教え」に比べるとまだ気軽に読める部類です。

バリュー投資に興味がある、もしくは登場する投資家に興味があるのでしたら、一読の価値ありです。

 - 書籍紹介