【書評】プロ・トレーダー~マーケットで勝ち続ける16人の思考と技術
今日は久しぶりに書籍紹介をします。
「プロ・トレーダー~マーケットで勝ち続ける16人の思考 と技術」という本で、名前の通り第一線のトレーダーのインタビュー集です。
半年くらい前、いつも参考にしている投資家が本書を推薦していたのを思い出したので読んでみました。
書籍情報
書名:プロ・トレーダー マーケットで勝ち続ける16人の思考 と技術
著者:ティム・ブールキン (著), ニコラス・マンゴー (著), ジョン・ボリンジャー (監修), 森山文那生 (翻訳)
出版社:日経BP社
発売日:2016/4/28
ページ数:292
為替、株式、商品先物・・・様々な分野のトレーダー
私は去年の12月から国内の株式市場でスイングトレードを行っており、何か役立つ内容があればと本書を手に取りました。
本書は著者のティム・ブールキン氏が16人のトレーダーにインタビューをした内容をまとめたものですが、FXやトウモロコシ、小麦といったコモディティ先物といった、株式以外のマーケットを主戦場にしたトレーダーも登場しました。
むしろ、株式以外のマーケットを主としたトレーダーの方が多かった気がします。
手法も人それぞれで、デイトレードもあればスイングトレードもあり、または数分単位で取引を行うスキャルピングを好むトレーダーもいました。
今のところトレードは株のスイングしかやるつもりはないので、株式市場メインのトレーダーを注力して読み、それ以外のトレーダーはメンタル的な部分を中心に読み進めました。
トレーディング手法は高度でよく理解できなかった
16人のトレーダーに対してのインタビュー形式をとる本書ですが、そのトレーディング手法はトレーダーに全くと言っていいほど違っており、まさに16通りの手法が紹介されていたと言っても過言ではないでしょう。
テクニカル分析と自作のトレーディングツール、そして中にはファンダメンタルズも参考にするトレーダーもいます。
しかし、私のレベルが低いのか、書いてある内容はちょっと理解できない箇所が多々ありました。
例えば、92ページで損切りの基準が紹介されています。
損切りのためのストップを、サポートやレジスタンス、フィボナッチ、ピボットなどが示すテクニカルポイントを超えた水準に設定します。ストップの手前のテクニカルポイントがプロテクションの役目をしてくれると考えているからです。
何やら、いくつかのテクニカル指標を使って損切りポイントを設置しているのだな、くらいは分かるのですが、フィボナッチやピボットが何を指すか今一分からないです。
こんな感じで、高度な内容となっているので、駆け出しトレーダーには難しく感じるのかもしれません。
巻末の「20の習慣」は大いに役立つ
本書は具体的なトレーディング技術よりも、習慣や物の考え方といったメンタル面の方が参考になりました。
特に最終章である第17章”プロ・トレーダーに学ぶ「成功するための20の習慣」”は大いに役立ちました。
その中で一つ紹介すると、”8. 天井と底を捉えることはあきらめる“とあるのですが、実はこれは素人の方が中々できないものと思います。
私含め、どうしても「大底で買い、天井で売る」という理想にとらわれてしまいがちです。
ですが、実際にはプロですらそのようなことは不可能であり、むしろプロは高値が買い時であり、安値が売り時だと割り切っているのだといいます。
自身を思い返してみると、確かに「そろそろ反転するだろう」と半ば願望でトレンドの反対に張ることもありました。
プロ的にはそれは悪手であり、順張りこそトレードの王道だと改めて知ることができました。
このように、本書はトレーディングに役立つ情報が満載です。
やや値は張るのですが、値段分の価値はあったと満足しています。